きみは俺だけの彼女



俺達を軽く睨んでる海人を無視して車に乗り込む。

「すぐに出して。駅前方面に」



お嬢の声ですぐに車が動き出す。



「駅前?雪姫の家に迎え…」
「今、車が雪姫の家に向かったら怪しまれるでしょ!!」



……お嬢がキレた……?



「あーもう!完全に海人を忘れてたわ……。帰宅時間がカブってもおかしくないのに。でも、あんたを拾えただけラッキーだわ」



そう早口で言いながらバッグからスマホを取り出すお嬢。


「………空人?今、嶋村乗せたとこ。コンビニで海人に会ったのよ。………えぇ……
……わかったわ。それじゃ」



……とりあえず、俺はある意味早く来て正解だったらしいな。


俺が先に来てなければ……

コンビニを出た海人が家に向かっていたら雪姫と空人に鉢合わせしてただろう。



「小学校で雪姫達を拾うわ。向かって」


奏波嬢の指示で車が向かった。



お嬢と俺は同時に安堵のため息をついた。



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