幼女総長と不良たち


ドキドキしていた心臓を無理矢理落ち着かせると、私はキッとして前を見据える。

泣いた後だから今の私に怖いものなどもう何もない。

敵に総長としての威厳を見せつける時がついに来た。


「しょのデしゅマッチ・・・受けて立ちましゅ!!」


凌久のシャツを強く掴んだ手は、大丈夫、
震えていない。

その代わり勢い余って幼虫のぬいぐるみがコロッとソファの下に落ちた。


「・・・・・・」


決まった。

・・・・・と思った私の台詞は、

ただただその場に沈黙を生んだ。


凌久が私をぎゅっと抱き締めると私ごと身体を前に倒し、足元の幼虫を取る。

蘭が咥えていた生春巻を全て口の中に入れると、また一つ生春巻を取って私に差し出した。


「・・・食べる?
チビッ子はこんなん食べない??」

「・・・蘭、マヨつけてあげると食べるかも・・・。」


斗和が静かな足取りで冷蔵庫へと向かう。

冷蔵庫からマヨネーズを取るとお皿にマヨネーズを少し出し、私の前のテーブルに置いた。

・・・ありがとうと言うべきか迷う。


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