幼女総長と不良たち
「"魔王"は園児でもいけるんじゃない?
シューベルト様々だね。」
「・・・シューベルト??」
「凌久の"魔王"って異名はシューベルトの『魔王』から来てるんだよ。子供をさらって虜にするって意味でね。」
「人聞き悪すぎ。誰もさらってねえよ。」
凌久が洸太郎を睨んだ。
え?そうなの??
シューベルトの『魔王』という曲は、
病気の子供の死を、魔王が魔王の世界に連れて行くことになぞらえた歌詞だ。
最初来た時に見た中学生の子も凌久の虜になったのだろうか?
凌久は包容力があるし安心感を与えてくれる。
虜になる気持ちも分からなくはない。
だからと言ってキスしたいかどうかと言われるとよく分からないけれど。
「・・・・あの中学生の女の子と凌久は付き合ってるの??」
「・・・・」
凌久が私の顔を見た。
・・・・また私は恋愛沙汰に興味のある女だと思われそうな発言を・・・・。
「あれは公園でよくサボってる中坊だよ。
ちょくちょく話し掛けてるうちに妙に懐かれて「キスしてくれたら学校行く」っつーからキスしてやっただけ。」
「・・・・キしゅはキしゅでも、ディープ・・・・」
しまった・・・・子供らしからぬ発言をしてしまった。
「盛り上がったんだからしょうがねえ。」
「・・・やっぱロリコン。」
「妬いてんのか?」
「・・・・・・」
凌久が無言になった私の頬をむにっとつねる。
「ロリじゃねえよ。ほっとけねえ性格なだけ。」
・・・そういうのは自分で言うことじゃないと思うよ凌久。