幼女総長と不良たち


凌久と手を繋ぎアパートの敷地内へ入ると、ハン君に買って貰ったサンダルがペタペタと固い地面で音を立てた。


宮部さんに何て説明すべきか・・・

ぐるぐると考えているうちに、あっという間に私の部屋の前まで来てしまった。


・・・何故か宮部さんがいる気配はない。



鍵も閉めていないドアを開けると、凌久が後ろから話し掛けてきた。



「無用心にも程がある。オートロックのあるマンションにしろよ。」

「・・・そんなにお金使えない。」

「じゃあうちに来い。」

「・・・・・」


私はこのアパートが好きだ。

大学からは7駅離れているが4人の高校からは近い場所だし、四竃もこのアパートに住んでいる。


瞳子さんの家は県外の警察本部に近い場所にある。

それに本部だけでなく全国を飛び交う仕事のためほとんど家には帰れない。


一緒に住む話も何度か出たが、皆と近い場所に居た方が寂しくないだろうと私をここに住まわせてくれている。

勿論安いからというのが一番の理由なのだけれど。


私も早くバイトが沢山出来るようにならなければならない。


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