諦めた心

本当に頑張って、頑張って
大学に入学した。

だが、怜は私が大学に入学してからも
もっぱら、私の家で会うだけ
父が帰宅すると
父と熱心に話をして
私は蚊帳の外。

そんな私を、兄の日和が見かねて
「たまには、一華をデートに連れて
行ってやれば?」
と、言ってくれて
「あー、どこか行きたい所が
あるのか?」
と、言われる始末。

そんな兄から、何度も
「あんな奴
もう、やめて、もっと一華を
大切にしてくれる男と
付き合ったほうが良い。」
と、言われたが
いつか、きっと私自身を見てくれる
と、そう信じていた。

それに、怜も日和も
インターンシップだ
院への勉強だと忙しそうだったから

邪魔をしては
行けないと思っていた。


そんな私にも
大学で知りあった
中津 ゆかり・同じ法学部
  と  
ゆかりと高校から一緒の
川添 旭・法学部

私とゆかりが親しくなると
旭も一緒に絡むようになっていった。

ゆかりには、社会人の彼がいて
とても幸せそうだった。

だから、ゆかりからも
「なんなの?
そんなにインターンシップや
勉強が大切なの?
こんな綺麗で可愛い一華を
ほっとくなんて、あり得ないわ」
と、ぶつぶつ言われていた。

旭からも
「そんな男やめて、俺にしたら?」
と、言われたが
からかっているだけだとと思い
相手にはしていなかった。

だけど·····そんな

ゆかりとゆかりの彼氏を
見ているからか
怜は、私を好きではなくて
ただ、私の父の手前付き合って
くれているだけだと
心の中では気づいていた。
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