キミのことが好きすぎて

『聞こえてる......聞こえてるけど。そんなこと、私に聞かないで、先輩にどう思ってるのか聞きなさいよ。私は先輩じゃないんだから、分かるわけないでしょ』



分かってるよーー。

呆れたようにそう言われたけれど、私だって聞けるものなら聞きたい。

でも、“先輩、私の事どう思ってるんですか？”なんて、聞けるわけが無いじゃないか。


良い答えなら嬉しいけれど、なんとも思ってないなんて言われた時には、悲しくて立ち直れる気がしない。



『......まったく、結愛は世話が焼けるんだから。いつも先輩を振り回してるんだから、お礼に先輩の好きな事でもしてあげたら？喜んでくれるんじゃない？』



先輩の好きな事？


紗奈ちゃんが、どうしてそんな事を突然言い出したのかは分からないけれど、きっと悠真先輩と近づけるチャンスを作ろうとしてくれているのだろう。


勝手に、そう捉えることにした。


ーー悠真先輩は甘いものがキライ。

ーー意外と面倒みがいい。