皇太子は神の子に首ったけ〜異世界に転移してしまいました!?〜

夢か現実か


声が聞こえる。

この声は、一体誰の声…?


その声に引き寄せられるようにして、私はゆっくりと目を開いた。

最初はぼやけていた視界も、徐々にはっきりと見えるようになった。


その目に映るのは…天井?

しかもめっちゃ変な模様じゃん。

ふかふかとしたものに自分の体が沈んでいるということに気がついた。

ベッドの上…ってことは、私助かったのかな!?


勢い良く上半身を起こす。

すると目眩がして、またベッドに逆戻りしそうになるのを何とかこらえ、辺りを見回した。

ベッドの周りは、うすいピンクのレースのようなもので囲まれていた。



「ま、まさかの屋根付きベッド…。」



女の子ならば、一度は夢見たことがあるであろう。

貴族のお嬢様が使っているような、お姫様ベッド。



「あ、あはは。日本じゃないみたい…。」



口に出して、なんだか嫌な胸騒ぎがした。


レースの向こう側では、なんと言っているかは聞き取れないものの、誰かが話しているような声が聞こえた。

慌てて掛け布団をはぎ取り、床に足をつけた。

そのままゆっくりと立ち上がると、着ているワンピースが揺れる。

制服だったのを着替えさせてくれたんだろうか。

ゆったりとしていてシンプルな、それでいて高価そうなワンピースを身に纏っていた。
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