蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】
望んだ政略結婚
天気の悪いどんよりとした空を、私はため息をつきたい気分で眺める。
目の前の人の話はさっきから30分は続いているだろう。

返事をすることも、言い返すこともできずただ小さく頷いていた。

「だからね、鏡花。あなたの為なのよ」
私の為ね……。
「あなたみたいな奥手な子には、相手を決めないといつまでたっても結婚できないでしょ?」

普通の家にはないだろう、立派な茶室には、私の他に苦虫を潰したような顔でお茶をたてるお父さんと、ずっと同じ話をしているお母さん。

世間一般、華道の草加流といえば大きな流派で、そこの家元の娘といえばお嬢様という印象を持たれる。
たぶん私もそのイメージに当てはまる様に、生きてきた気がする。
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