心-ココロ-
カジュアルな服の多いブランドにやって来た。
レディースもメンズもあって、私もよく使うお店。
「初めて来ます?」
「柄物着ないからな、あまり」
「ちなみに、どんなテーマとか、イメージとか、ありますか?」
「…デート」
「デート?」
「胡桃がデート行く時に、彼氏に着てほしいコーディネート、とか?」
涼くんに着させたいコーデか…。無限に思いつく。
「もうちょっと具体的にしてもらってもいいですか?あの…妄想広がりすぎて、無限にコーディネート生まれます。あと普通に、顔の系統違うから分からないです」
「おめでたい頭だな。…じゃあなんだ、もしお前が俺の彼女だったら。デートでどんな服着させたい?」
茜部先輩とデートか…。
「せっかくなら、先輩の好きな子とデートする時に使える服だといいですね」
「ああうんまあそうだな」
なんで適当なんですかー?
「好きな子どんなの好きそうなんですか?」
「…知らん。だから、胡桃に組んでくれって言ってんだよ…」
「ああ…」
だったらこうだ。
バックプリントの濃い水色のシャツ、ブラウンのチェックのストレートパンツ、シャツの襟と同じ黒のローファー。
「コーデ組むの速っ」
「試着してきてください」