心-ココロ-


夏休み明け最初の当番。

図書室に向かっていると、


「おつかれ」


と、茜部先輩が声をかけてくる。


「あー、おつかれさまです」

「彼氏とは?どうなったん」

「過干渉やめるから別れないでって、まだ続いてますよ」

「そう。良かったじゃん」


あっさりしていた。茜部先輩らしいっちゃらしいけど。


放課後の当番が終わり、2人で校門を出ると、涼くんがいる。私服姿でカッコイイ…!のは、ともかく。


「…琴葉のこと、送らなくていいって言ったと思うのですが?」

「ああ、あの発言生きてたんだ」


目線でバトってる。犬系男子VS猫系男子って感じ。


「別に、俺電車通学だから、途中まで方向同じなだけなんだけど」


涼くんがキョトンとした。


「誰も送るなんて言ってねーぞ」


フッと余裕ありげに笑う茜部先輩。

悔しげに頬を引きつらせる涼くん。


「帰ろ、琴葉」

「え、あ、うん」


それからというもの、毎週水曜日は涼くんと帰れる日となった。
結果オーライか、彼氏と一緒に過ごせる時間が増えたんだから。


10月中旬になると、文化祭の準備で忙しくなった。

私のクラスでは、喫茶店をやることになった。


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