わたしにしか見えない君に、恋をした。
「あっ、あった!!これ使って?」

取り出したのは見覚えのあるタオルだった。

「明子、それ……」

「あ……流奈ちゃんにもらったタオル。……覚えてるかな?」

「覚えてるよ……。まだ使ってくれてたの……?」

明子と初めて一緒に遊んだ日、UFOキャッチャーでとった景品のタオル。

明子が好きなキャラクターのタオルだったから『明子が使って?』と渡すと明子はすごく喜んでいた。

まさかあれをまだ使ってくれていたなんて……。

「このタオルは私の大切な宝物なの」

「明子……」

優しい表情を浮かべる明子に更に涙腺が緩む。

それにつられて明子までぽろぽろと涙を流す。

こんなにいい友達を、あたしはひどく傷つけた。

償いたい。そして、許されるならもう一度。

「今さらだし……自分勝手かもしれない。でも……あたし、また明子と友達になりたい。もう一度あたしと友達になってくれる?」

恐る恐る明子にそう尋ねると、明子はニコッとまぶしいほどの笑顔を浮かべた。

「もちろんだよ。って、私はずっと流奈ちゃんと友達だったって思ってるけど」

わだかまりが解けていく。

「って、あたし達泣きすぎだよね」

「ふふっ……本当だね」

あたしと明子は目を見合わせて笑い合った。

あたしはもう、二度と明子を裏切らない。

自分が信じた道を進む。例え、今いる居場所を失ったとしても。

もし失ったのなら、つくればいい。

新たな居場所を自分の手でつくるんだ――。

その居場所でなにをするか。それが大事だ。

すべては自分次第――。
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