わたしにしか見えない君に、恋をした。
「それにしても、ホント最初はびっくりしたんだから。突然屋上に現れて、家にまでついてきてさ」

「だな。流奈が俺に気付いた瞬間、多分流奈以上に俺のほうが驚いてたし。でも、それ以上に存在に気付いてもらえて嬉しかった」

まさか湊がそんな風に思っていたなんて。

「でも自由に動き回れんのも善し悪しあるよな。色々見ちゃいけないもの見たい衝動に駆られたりするし」

「なにそれ」

「まぁ、俺も一応男だから」

「はっ!?最低!変態!!前はプライバシーがどうとか言ってたじゃん」

「だから、色々我慢したんだって」

「も、もしかして可愛い女の子とか見つけて後をつけてあれこれしようとしたとかないよね!?」

「あー、しとけばよかったか?」

「信じらんない!」

「バーカ。そんなことしねぇよ」

湊の言葉になんだか悶々とした気持ちになる。

これって多分、ヤキモチだ。こんな気持ち、初めてだ。
< 127 / 195 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop