復讐の華

さっきよりも目に見えて立っている人の数が減っている。


突然来たたった5人の男たちに負かされるなんて、水憐としては屈辱だろうな。


ウッと鈍い声を上げて1人のメンバーが倒れ込み、これで立っているのは幹部だけになった。


もう既に満身創痍な水憐と、何十人を相手にしたというのにまだ余裕がある紘斗たち。


結果は見えていた。


それでも彼らは、水憐というプライドの為に立ち続ける。


一つの族を背負う覚悟。果敢に相手に向かう彼らの背中からは、そんなものを感じた。


私は1段1段、階段をゆっくりと降りる。目はその戦いを一瞬でも見逃さないように、そちらを見続けて。


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