復讐の華

裏切りの上に成り立っていた裏切り。


飛鳥は來に想われていながら、晟也との時間を過ごしていた。


飛鳥は來を、裏切っていたんだ。


全然分かっていなかった。飛鳥の家族だなんて言っておいて、あの子の表面しか見ていなかったことに今更気付かされた。


來を見上げる。彼は呆然と晟也を見ていた。


飛鳥の気持ちが離れていっていることに気付いてはいても、自分以外の誰かと体を重ねているなんて思ってもみなかっただろう。


しかもその相手は、仲間。水憐のNo.2だ。


あの子の死と裏切りと。一気に現実を見せられて、平気な筈がなかった。


< 267 / 312 >

この作品をシェア

pagetop