復讐の華

その2つが違かったら、何を信じたらいいの?


もしかしたら私の前にいた飛鳥は偽りだったかもしれない。それさえも、美化された思い出だったら?


死んでしまった人との思い出さえも疑わなければいけないなんて、これ以上辛いことがあるだろうか。


「華月。飛鳥は、華月のこと大好きだったよ。何かある度に会話に出てきたから分かる。まあ、私は華月のこと男だと思ってたんだけど」


最後にはそう苦笑した美波の言っていることはきっと嘘じゃない。


目の前の彼女は、私が共に過ごしていない時間の飛鳥を知っている。


私たちは一緒に成長してきた。物心がつく前から共に暮らして、中学で離れ離れになった。


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