君は冬に華を咲かす
案外春は早いのだなと思った。それは私の体が段々ともたなくなってきたからだ。

家族に抱きしめて貰った日の夜、私は真っ先にリンちゃんに電話をした。

『えぇ?!!!残り1年?!何それ何それ!!えぇ??ドッキリ!!?』

「ホントのことだよ〜」

『いや、ホントのことならもっと焦ろーよ!嫌だよ!私、ハナとお別れなんて!!絶対嫌!!ハナの残り時間、全部私が捧げる!!!』

「リンちゃん…あり…グス…がとう…」

『もう…泣かないでよ〜…』

その日の夜、私たちは電話越しで泣き潰れた。気づいたら朝になっていた。学校に行くともう噂が広まっていた。
「ちょっと、あんた達、今までハナに話しかけて来なかったくせにこういう時だけ構うのやめてよ。みっともない」
「リンちゃん…いいじゃない…私も…みんなと話したいな」
元々私は人と話すことは好きだけどお兄ちゃんがあまりにも偉大すぎる為みんなから距離を置かれていた。
「ねぇねぇ!ハナちゃん、今は大丈夫なの?」
「うん!でもまたいつ倒れるかわかんないなぁ〜」
「その時はみんなで支えるね!!絶対!」
「そんなの当たり前よ。だってハナは私の自慢の親友なんだから!」
リンちゃんはいつも私のそばにいて護ってくれた。だから、今度は私が…
「あと、私の事護ろうとしなくていいよ。ハナは花壇の花護ってて!それが私を護ることと変わらないから」
「何言ってるかよく分かんねーよ」
男子が喧嘩腰(?)でリンちゃんに言った。すごく楽しかった。生きてて良かったって思った。でも、こんな風景も、半年後にはもう見れない。
「みんなぁぁ…」
私はまた泣いてしまった。みんなが抱きしめてくれた。

あぁ…死にたくないな
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