普結くんは、桃にイジワル。
臆病な君の思うツボ 5



暑さも最高潮に達した7月の真ん中。

うだるような暑さになんとかして涼を求めたいあたしたちは、
思い思いのやり方で涼しさを確保しようと必死だった。


「なにしてんの八宏さん
外気の熱が頭にまで回ってついにおかしくなっちゃった?」

「うるさいうるさい…!
意外と涼しいんだからねこれ!」


おでこと首、そして二の腕とほっぺたにまで″冷ペタシート″を貼るあたし。

対して普結くんは、ハンディ型の小型扇風機を顔まわりに当てて、
制服のズボンの裾をまくり上げていた。



「桃ー、あたしにも冷ペタシートちょうだい…暑い…」

「いいよー、だいぶマシになるよ!」

暑さに弱いらしいリエちゃんと普結くんは、最近ぐったりしていることが多い。


蒸し暑い教室にうんざりしてきた頃、
ガラリと音を立てて教室の引き戸が開いた。

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