あなたを教えて。
プロローグ
これはまだまだ子供だった私の恥ずかしい恋愛の話。

きっと皆が経験した事のあるような綺麗なものでは無い。

でも私にとっては目を開けられないほど眩しいキラキラ輝いている世界だった。

それは普段の世界とはまるで違う別世界に居るんじゃないかな。なんて思うほど。

本当に幸せな時間だった。





まぁ、これは全部今だから言える事。

あの頃の私は今日を生きる事だけで精一杯だった。

でも、どれだけ傷ついて辛い毎日だったとしても、私みたいなタイプは時間が経つにつれて悪い記憶だけ忘れて良い記憶ばかりが残る。

だから余計に、最終的な結果が悪い時、自分の行いのせいでこうなってしまった。と、後悔ばかりになってしまう。





ふと昔を思い出す時がある。



゛今、私が自分の命と交換になったとしても戻りたい。そう考える時間。

あの時間を過ごしていた私は、その時どんな感情で過ごしてたのだろうか。

きっと何も考えずに今が永遠に続くとそう思って過ごしていた。
いや、今のことなんてなにも考えず、ただボーッと過ごしていたんだろう。

もしもまたあの時間に戻れたなら、きっと私はあの時よりもっと上手くやれる。゛



今過ごしているこの生活になってから同じ事を何回も考えて、何度も何も出来ない自分にいらだちを覚えている。

【上手くやれる】なんて事考えてるけど、何を上手くやるのか、明確な事は分かっていない。

それに、何をやっても正解に辿り着く道が見つからない。

私が望む正解が、白も望んでいるのか、
私だけが望んでいる事なのか。

考えたって分からないし、自分なりの答えが出ても答え合わせをする方法がない。

答え合わせをして合ってたとしても、私の気持ちだけでどうにか行く問題じゃない。

さっきからこんな事をずっと考えて、
勝手に自分と言い合ってイライラしている。

どうにも出来ない。分かっているのに諦められない。

きっと1番の正解は昔に戻りたいと考えない事なんだろう。

やっぱりこれは、ただの私の恥ずかしい恋愛の話なんかじゃない。


これは私が本当の恋を知るまでの話。
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