Déjàvu デジャヴ

「終わったー
白68個
折原は?」



「あ!え!
今、上杉が話し掛けたから
わかんなくなった…」



また上杉は爆笑した



「ひどい…」




「オレ、半分数える
もぉ話し掛けない」




上杉が隣に来て数え始めた



1.2.3.4.5...........



最後の1個…

取ろうとしたら上杉の手に触れた



ドキ…


ーーー


え…


キス、された…?



ドキ…ドキドキ…



目が合う間もなかった




「オレ、36個!
折原は?」


ドキドキ…



「え…」



ドキドキ…




「また、忘れた…とか?」



ドキドキ…




「…うん」



隣で上杉がまた笑った



「オレ、話しかけてないよ、ね?」



「…うん…」



ドキドキ…ドキドキ…



「ごめん…
あと、オレやるわ」



ドキドキ…ドキドキ…




上杉はドキドキしないのかな?


からかってるのかな…私のこと…




「…32!足して68!
ピッタリ!同じ数」



ドキドキ…



「ありがと、ごめんね…」



「おこった?…折原」



「おこってないよ
…ちょっと、ドキドキしただけ…」



ドキドキ…



「よかった…
オレ、折原にだけは嫌われたくない」



ドキドキ…



「嫌いになんて、ならないよ…」




好きだよ…上杉が




「ねぇ、折原
さっきの約束…守ってね」



「え?」



「もぉ忘れた?
体育委員一緒にやるの
来年も再来年も…」



「覚えてるよ」



「じゃあ…約束ね…」



ーーー



上杉の唇がゆっくり優しく触れた



ドキ…ドキ…ドキドキ…





体育祭の終わり

胸の高鳴りは




いつまでも続いた






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