イジメ返し―新たな復讐―

先生と連絡する手段がもうない。

先生がどこに住んでいるのかも知らない。

明日他の先生に聞いたところでプライバシーがどうのこうのと言ってどうせ教えてくれないだろう。

先生だって言っていた。この紙をなくさないようにって。ちゃんと念押しされてたのに。

それなのに……。

「ちょっと、愛奈。あなた何を騒いでるの?」

洗面所に座り込んでいるわたしを見つけた母は一瞬固まった後、鬼のように目を吊り上げた。

「信じられないわ。な、なんてことを……!!床中水びたしじゃない!!どうして洗濯機を途中で空けたりしたの!?」

母はわたしの足元のスカートを拾い上げると、苛立ちをぶつけるようにそのまま洗濯機に放り投げスタートボタンを押した。

「やだっ、ネットのチャックまで壊して……。あなた、一体どうしちゃったの!?」

金切り声をあげる母をわたしはキッと睨み付けた。

「どうしてスカートまで洗ったの。どうしてYシャツだけにしてくれなかったの!?」

「え?」

「スカートに……大切なものが入ってたの。どうして確認してくれなかったの?どうして……?」

「別にいいじゃない。今の制服って便利なのよ。クリーニングに出す必要がないし、大した汚れじゃなければ洗濯機で洗えるから。Yシャツを洗うついでにって思っただけ」

母は全く悪びれる様子はない。
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