イジメ返し―新たな復讐―
でも、そのせいで一部の女子からは非難されイジメとまではいかないにしてもクラスに居づらい雰囲気になってしまっていた。

そんなある日、あたしのペンケースに自分のものではない鉛筆や消しゴムが入っていることに気が付いた。もちろん誰かのものを盗んだりしてはいない。

でもそれをクラスの女子にとがめられ、あたしは『泥棒』や『人の物を盗む』というレッテルを貼られた。
クラス中から浮き、非難され、罵倒されているあたしの前に現れたのが転校してきたカスミだった。

あの日の衝撃はいまだに覚えている。この辺りには絶対にいないタイプの子供だった。

髪を染め、小学生ながら流行の派手なブランドの洋服を着ている目つきの鋭いカスミ。

この子と一緒にいることが自分のメリットになるとあたしは瞬時に判断した。

そして、その目論見は正しかった。

カスミはすぐにクラス中、ううん、学年中を牛耳るようになったしカスミに反論する者もいなくなった。

カスミと一緒にいることであたしはすぐにスクールカーストの頂点に立ち、あたしのことを『男好き』と悪口を言う人間もいなくなった。

でも、その分たくさんの苦労と犠牲と代償を払ってきた。

女王様気質で自己中でワガママで常識が通用せず人の気持ちを一切考えずすぐに感情的になるカスミと一緒にいることは苦難の連続だった。

それでも、耐えることができたのはあと数年という思いがあったから。

高校を卒業したら、すぐにこの町を出て上京するつもりだ。

夜の仕事に就き、一人暮らしをする。

良い相手が見つかれば一緒に暮らすのも楽しいかもしれない。

東京にはきっとあたしが今まで出会ったこともないようなイケメンと会う機会もあるだろう。

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