きみと秘密を作る夜
上手く笑えているだろうか。

舌を出した私に、晴人は少し怒った顔。



「お前は俺の誕生日を祝おうって気はねぇのか」

「そんなこと言われたって、前々から言っといてくれなきゃ、用意するものもできないでしょ」

「じゃあ、特別に現金でいいよ」

「バカ言わないで」


言い捨てた瞬間。



「バカはお前だよ」


その言葉と同時に、突如として視界が覆われた。


気づけば引き寄せられ、晴人にキスされていた。

あまりにも突然で、何が起こったのかもわからず、私は目を見開いたまま。



「しょうがねぇからこれが誕生日プレゼントってことで許してやるよ」


ふっと笑った晴人は、



「すっげぇ間抜け顔」


と、言って、立ち上がる。



本当は、引き留めて、今のキスの意味を聞きたかった。

だけど、何をどう聞けばいいのかもわからず、声が出なかった。


私の、ファーストキス。



結局、私は膝を抱えたまま。

晴人はそのまま何も言わずに、自分の部屋に戻ってしまった。


開け放ったままの窓から、冷たい夜風が吹き込んできて、晴人に灯された熱は徐々に温度を失っていく。




キスされた唇を、指でなぞった。



恋人同士じゃない。

でも、友達というのも、何かが違う。


今更だけど、私と晴人の関係って、何なのだろう。

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