きみと秘密を作る夜
服の上から胸を触られる。

キスから、唇を割って舌が入ってくる。


今まで感じたことのない生々しい感触に、私は上手く呼吸することすらできなくなっていた。



晴人はゆっくりと、ひとつひとつ、私のシャツのボタンを外していく。



「ねぇ、私だけ恥ずかしいよ」


言われた晴人は、邪魔くさそうに自らの服を脱ぐ。


晴人の裸を初めて見た。

細く引き締まっていて、でもたくましいその体躯。



「触って」


私は恐る恐る、晴人の体に指を滑らせた。


見たことのない晴人がいる。

私だけが知ることを許された晴人が。



「里菜子」


名前を呼び、晴人はキスをしながら私の秘部に自身を押し入れる。



初めての痛みに顔が歪む。

歯を食いしばろうとしたのに、抑えきれない声が漏れた。


痛みにうがたれながらも、私の中にあった醜いものが、すうっと引いて行くのがわかる。


あえぐように、私は何度も晴人の名前を呼んだ。

もう何も考えられなくて、なのに苦しそうな晴人の顔をもっと見ていたいと思った。




これでやっと完全に、晴人は私のものになったのだ。

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