【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2


「虹くん──、」



私は虹くんのその手を握った。

一瞬、虹くんの瞳が驚きに満ちていた。



「虹くんが、泣いてる気がしたから……っ」



夏だというのに心配になるほど冷たい手。



「泣くわけないだろ。お前じゃないんだから」



心配すんな……と。

無理に表情を和らげようとする虹くんに、私はもう我慢出来そうもない。



「強がらなくていいんだよ……虹くんだって、苦しいなら苦しいって言っていい」



私に弱音を吐かせてくれたように。

心を重くする理由があるのなら、私は少しでもそれをほどいてあげたい。



「だから、お前が心配することじゃ……」



虹くんの言葉を遮るように、身体が勝手に動いた。

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