きっと、月が綺麗な夜に。

闇を溶かすのは君

予定より1日早く、連休3日目の朝一の船で島に戻った僕たちを出迎えていたのは、朝早いのに何時間かけて作ったの、と言わんばかりの豪華な懐石料理と、ちょっと日焼けして更に黒さに磨きがかかったりょーちゃんだった。


「人間ってこんなに黒焦げになるもの?うわ、ニコニコしてるから歯だけ白い」

「船釣りでもしたんでしょ。それにしても例年にない黒さだね」


美矢の言う通り、元々白い歯が肌が黒いせいで更に白く浮きでていて、ゴツさも増している気がする。


「お腹空いたろー?りょーちゃん、ごちそう作るのに思わず力入っちゃったよ。さ、食べよう!」


朝から食べる量じゃない気もするが、多分、美矢にしたら食べる量なんて朝昼晩は関係ないだろうし、懐石料理だから重くないし、綺麗になくなってしまうのだろう。

いつだって美味しいご飯を作って待っていてくれるりょーちゃんと、僕たちの目の前でごちそうになってくれた命に感謝して、僕も疲れを癒そう。

手を洗い「いただきます」と3人揃って声を出せば、いつもの日常に戻ったんだなと実感した。
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