激甘御曹司に恋しちゃいました
完璧副社長と結婚します
きつく締められているお腹、いつもにも増して濃いメイク、凝ったヘアアレンジ、そして目の前にお見合い相手。
そう私、穂波乃々華(ほなみ ののか)は只今絶賛お見合い中だ。
正確に言うと私には小さい頃から結婚の約束をしている許嫁がいるらしく、お見合いというよりは顔合わせと言った方が正しいだろう。
ただ私はお見合いと言われて付いてきたのだから顔合わせではなくお見合いだと思いたい。
「乃々華さんは何かご趣味などはありますか?」
そう尋ねて来たのは真道響(しんどう ひびき)。
ダークブラウンの髪、目鼻立ちのはっきりした顔、薄い唇、立つと185cm以上はあるであろう身長。
そして真道ホールディングスの御曹司で副社長だ。
「…え?…あ、あのっ…えっと…」
「ごめんなさいね。乃々華緊張しちゃってるみたいで」
「お、お母さん!」
「大丈夫ですよ。畏まった席では誰でも緊張しますから」
思わず赤面して下を向く。
私が緊張して話せないのは畏まった席だからではない。
話す相手が男性だからだ。
幼稚園から高校までは女子校で有名私立学校のS学園に通い、大学も国立で女子校のO大学に進学したので男性に全く免疫がない。
< 1 / 5 >