わかりきったことだけを、




「…志葉も悲しいとか思うんだ」

「お前 俺のことなんだと思ってんの?好きな女に振られたら誰だって悲しいだろ」

「好きな女……それはつまり私のことかな」

「ん。けどまあ、浅岡が振り向いてくれなかったら運命じゃなかったって思うようにするし、'目の保養'で我慢する」





運命と偶然は紙一重。


​──それについてどう思う?

そう聞いた頭脳底辺で顔だけが無駄に良い私に、



​──運命だと思えばそうだし、単なる偶然の産物だと思えばきっとそうだ

成績優秀者で顔面が神と言われる彼はそう答えた。





志葉の解答は私にとって常に未知だ。
だからこそ、志葉と私の運命とやらがどんなものなのかが純粋に知りたかった。


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