わかりきったことだけを、
9.「一緒にいたい」






主に弥生ちゃんとお花畑くんの間に変化があった修学旅行からはや数か月。

冬休みは明け、教室の雰囲気は一転、勉強モードに切り替わっていた。


と、言うのも、学期末試験が迫っているからである。




「浅岡そこ間違ってる」

「あうぅ…」

「はやくやる」

「うぁあ…」




2年生になってからテストがあるたびに志葉と一緒に戦ってきたものの、全勝というわけでもないのが私の成績であって、だ。


前期期末試験はどの教科もぎりぎりで赤点回避。
中間試験は悲しいことに数学と英語が赤点。
後期期末試験は英語のみ赤点。



志葉が悪いわけではない。
志葉はちゃんと教えてくれているんだ、毎回。




言い訳を述べるとしたら、中間試験は、時期的に地獄の補習がないのですこし気持ちが緩んでしまったというのがある。


志葉は自分が教えた数学で赤点をとらせてしまったからと責任を感じていて、全然志葉のせいじゃないのに、と本気で思っていた。


後期期末試験は修学旅行の直前にあった試験。
中間での悲しそうな志葉の顔が忘れられなくて、数学は死ぬ気で頑張った。



64点。

私にしてはかなり上出来。




───が、しかし。


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