オフィスとは違う彼の裏の顔
「文ちゃん、適当に朝ごはん作るから、出来上がるまでに着替えとか、メイクとか出来ることしちゃいなさい」
「はーい。なんか南央さんお母さんみたい」
クスクスと私をみながら笑う。
それを他所に、私は朝食を作っていく。
食パンとベーコンと目玉焼き
それに卵のスープにトマトのサラダ
「召し上がれ」
顔を洗い、スキンケアを終わらせた文ちゃんを席に座らせご飯を食べる。
「あー美味しい!金木くんが羨ましいです。これからこんな美味しいご飯が毎日のように食べれるんですから」
「な、何言ってるのよ、そんなの分かんないじゃない」
そう分からないわ、誰もこの先のことなんて
「南央さん、マイナスなことばかり考えてちゃダメですよ。今を楽しまないと」
モグモグしながら言う姿は若干説得力がないが、正論を言っている。
そうね、と返事をし、私も朝食を食べ進める。
食事を終え、着替えを済まし、メイクも完成させると、家を出なければならない時間になっていた。
「いくよ、文ちゃん」