この世界から消えた君に。
プロローグ
1月1日。
雪がはらはらと降る、明るい東京の街。
赤いマフラーを抱きしめた。

「────っ……」

雪が降ると共に溢れ出る涙。

私はその場に座り込んだ。

涙が止まらない。

どうして君なの?思い出したくない。助けてよ。なんで君なの?私を1人にした。

この世に居ない彼を責めた。
彼は悪くないし、意味も無いのに。

時は戻らない。

意味の無い後悔がばかりが、私の頭の中を洗脳する。

「どうして……?」

人が賑わう東京の街の真ん中で、私は泣き崩れた。
───今年の冬、君はこの世界から消えた。



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