直球すぎです、成瀬くん



体育祭は無事に終わった。

結果は、惜しくも総合2位。


優勝を目指していた男子を中心にすごく悔しがっていたけれど、体育祭が終わるとクラスの仲がグッとよくなる。

教室の雰囲気も何となく明るくなった気がするから、体育祭って不思議だ。






「柚〜百叶〜!」

「久しぶりにお昼一緒に食べない?」



ある日の昼休み、いつも通り百叶とお昼を食べようとしたら、教室のドアから明るい声が飛んできた。


「まりな、玲可…!」

「やっほ〜!今日天気いいし中庭行かない?」


まりなちゃんの一言で、久しぶりの4人で中庭へ向かった。



中庭に着くと、数カ所に置いてあるベンチにはちらほらと生徒が座っていた。

その中の1つにみんなで座ると、さっそくテーブルにお弁当を広げたまりなちゃんが口を開いた。


「どう?新しいクラスは」

「体育祭終わってから一気に仲良くなった感じするよね、柚」

「うん…!」

「やっぱりそうか〜あたしのクラスもそんな感じ!」


大きな卵焼きを一口で頬張ったまりなちゃんは、隣に座る玲可ちゃんに目を向けた。


「で、玲可んとこはどうなの?」

「…うちのクラスはもう宮城くん帝国?みたいな…もう男子も女子もみんな宮城くん大好きみたいな」

「やっぱりねえ〜」


玲可ちゃんの言葉を聞いたまりなちゃんは大きく頷いた。


「そりゃそうだよ、あのお顔にあの人当たりのよさ…みんな好きに決まってるよ…!」

いいなああたしも同じクラスがよかった、とまりなちゃんは頬を膨らませた。



「…あ、玲可ちゃん」

「ん?どした柚」

「宮城くん、いつもお昼どこかに行ってる…?」

「…いや、基本いつも教室にいて男子としゃべってるよ」


……じゃあ、本当に成瀬くんは宮城くんとお昼一緒じゃないんだ…いつもどうしてるんだろう……?



「…柚がそんなこと聞くなんて珍しい」

「確かに!何かあったの!?」


私が何気なく質問したことで、目の前のまりなちゃんと玲可ちゃんが私の顔を覗き込んだ。


「…え、いや…!何もないよ…!」


必死で顔の前で手を振る。


……そうだよね、私がいきなりそんなこと聞くなんて不自然だったよね………






< 167 / 183 >

この作品をシェア

pagetop