17時、カフェオレ。
ミルクティーではダメですか?



***


次の日、17時を過ぎても
先輩がお店にくることはなかった。

その次の日も、その次の日も。


「青年、どうしたんだろうなー
そんな来ないの初めてじゃない?」

「…そうですね」


見送りに行かせたこと、正解だったのか間違ってたのか私にはわからないけど…

でも、目をそらしてほしくなかった。

ちゃんと紫那さんのことを見ていてほしかったから。
うまくいかなくても、それが先輩のためだと思ったから。


…だって、先輩をいつまでもここに縛り付けておくのは違うもん。


「優奈ちゃん学校一緒なんでしょ?」

「え、まぁ…」

「生存確認してきてよー」

「え、生きてますよ」

「じゃあまたお店来てもらってよ!
あの青年来ないと、本当夕方お店開けてる意味が…」


う…、そしたら私、もうクビじゃん…
お店しめれば済む話だもんね、お客さんいないから…


「……わかりました。
また先輩に、お店きてもらえるようにします」

「おぉ!頼んだよ!」


それに…やっぱり心配だもん。
私はそんな立場じゃないかもしれないけど…でも、先輩がショック受けすぎて立ち直れてなかったらどうしようって
ちょっと責任も感じるから…


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