17時、カフェオレ。



嫌ってるわけじゃないのに
…でも、結局私にはどうすることもできなくて


「…ありがとうございました」


私は頭を下げて、片づけに向かった。


先輩は、そんな私を見て
そのまま、お店を出て行った。



「ふぅーー…」


私は長く息を吐いて、気持ちを整える。

好きで仕方なくて
好きだから、ここで先輩と仲よくするのが嫌で

結局冷たくするしかできない自分が、本当に嫌になった。


「…片づけよ」


先輩が座ってたそこを片づける。
空いたグラスをカウンターに乗せ、コースターを持ってテーブルを拭く。


「…ん?」


そこで、コースターの裏になにか書かれているのに気付いた。


『ごめんね』


たった、それだけ。


それを見て、私は自然と涙をこぼしていた。

先輩を傷つけたかったわけじゃなくて
ただ、自分が傷つくのが嫌だっただけなのに

先輩に、こんなこと書かせて…
あんなこと言わせて…


私、なにやってるんだろう




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