ココロ〜食べなきゃ幸せになれない〜
「ねえ、ちょっとあそこのカフェに入らない?お昼を食べがてら休憩しようよ!」

楓がそう言いカフェを指差すと、浩二も「いいよ。お腹ペコペコ」と言いながらカフェに入っていった。カフェはちょうど二人分の席が空いていて、ラッキーだなと思いながら楓は椅子に腰を下ろす。

「俺、夏野菜カレーと食後にアイスコーヒーでも飲もうかな」

浩二がメニューを見ながら言う。楓もメニューをしばらく見て、「じゃあ、フレンチトーストと紅茶にしようかな」と食べたいものを選ぶ。その刹那、浩二の目がスッと冷たくなった。

「あのさ……」

突然浩二の声が冷たくなったことに、楓は驚く。浩二は買った推しキャラのグッズを取り出し、楓の前に置いた。

「俺さ、女の子ならこんな体型じゃないと女の子として見れないんだよね?お前、すごいデブだよ。イベント会場でもタピオカ飲んでたし、デブって自覚あるの?」

「でも……あたしは身長が160センチで体重は50キロだよ。これくらいなら普通体重だし、何よりあたし今日のためにダイエットして二キロ痩せたんだから!」
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