ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目

 ニコニコ微笑んだまま
 俺に背を向けたほのか。


 走り去っていく後姿を
 俺は見つめることしかできない。

 
 大好きな笑顔が
 こんなに俺の心をズタズタの
 めった刺しにするなんて。


 苦しくて。
 心を今すぐ捨てたいくらい、痛苦しくて。


 現実から逃げ出したい。
 そう、強く願った俺。


「彼女さんって言われちゃったよぉ。
 そう見えちゃうのかなぁ」


 ルンルン声を発し
 再び俺の腕にしがみついた苺の腕。


 俺は拒絶反応通りに、振り払った。


「綾くん?」


「いちご。マジ無理」


「え?」


「お前の脅し。
 もう付き合ってらんねぇ」


「そんな態度取るなら
 今からSNSに載せちゃうよ。
 綾星くんの本性」


「お前もアイドルならさ、
 明日のライブ
 ぶち壊すようなことすんなよ。
 ライブ終わってからなら、好きにすれば」


「ちょ……ちょっと……」


 もう、苺の言いなりになるのは
 うんざりだ。


 俺は苺の顔なんて見ないまま
 自分の家に向かって駆け出した。

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