ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目

 え……?
 何か……揺れてる……


 頭を振りすぎて
 ぼんやり気味の脳のまま
 自分の胸元を見つめていると。

 綾星くんの弱々しい声が
 私の耳に届いた。


「とってくれるんだよな……?」


「え?」


「俺の心ん中……
 占領しまくってる……責任」


「あ……うん」


 顔を赤く染めて。
 恥ずかしそうに
 私から瞳を逸らしている綾星くん。


 責任って。


 今、私の胸元で揺れている
 シャーベットブルーの雫のネックレスと
 関係があるのかな?


「この……ネックレス……」


「前みたいに返されても
 俺、受け取らないからな」


「え?」


「この先、ほのかが
 俺のファンを卒業するって言っても。
 絶対に『いいよ』なんて言わねえからな」


「うん」


「ほのかは一生
 俺のこと『最推し』な」


「さい……おし……?」


「一生、俺から離れるなってこと」



 できるよな?と付け加えた
 綾星くんの悪魔っぽい
 意地悪っぽい声が男らしくて、
 私の心がくすぐられて火照っていく。


 無理だよ。きっと無理。

 この先、こんな大好きな綾星くんから
 離れるなんて。
 私の方が絶対に無理。


 だって、こんなに私のことを。
 ゾクゾクさせて。
 ドキドキさせて。
 とろけさせてくれる人。

 それは、綾星くん以外いないから。



 素直に頷いた私。


 綾星くんは
 ドロ甘貴公子並みの笑顔を私に向けると

 綿菓子みたいに甘く優しく
 抱きしめてくれた。
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