こじらせ社長のお気に入り
「笹川柚月さんは、社長秘書に任命します」
…………は?
社長秘書ですって!?
混乱したのは私だけでなく、他の社員も同じだったようで、にわかに社内がざわざわし出した。
そんな社員の動揺を他所に、副社長が涼しい顔で説明を加えた。
「これまで、社長に秘書はつけていませんでしたが、ますます多忙になってきた中、私の方で秘書が必要だと判断しました。幸いにも、笹川さんは秘書の資格をお持ちでしたので、お願いすることにしました」
淡々と話す副社長の横で、社長がうんうんと頷いている。
なんてことだ……
つい手を広げすぎて挑戦した秘書の資格が、こんなふうに拾われてしまった……
秘書をすることが、絶対に嫌だというわけではない。ただ、私が持っているのが2級にすぎないことと、学校で専門的に学んだわけではなくて、あくまで独学でしかないことが、私を不安にさせる。
それに、私のイメージでは、縁の下の力持ちになりたいんであって、トップの付き人ではない。
そんなことを頭の中でぐちぐち思ってはいたけれど、悲しいかな、私は雇われの身にすぎない。与えられた仕事に、文句なんて言えやしない。
…………は?
社長秘書ですって!?
混乱したのは私だけでなく、他の社員も同じだったようで、にわかに社内がざわざわし出した。
そんな社員の動揺を他所に、副社長が涼しい顔で説明を加えた。
「これまで、社長に秘書はつけていませんでしたが、ますます多忙になってきた中、私の方で秘書が必要だと判断しました。幸いにも、笹川さんは秘書の資格をお持ちでしたので、お願いすることにしました」
淡々と話す副社長の横で、社長がうんうんと頷いている。
なんてことだ……
つい手を広げすぎて挑戦した秘書の資格が、こんなふうに拾われてしまった……
秘書をすることが、絶対に嫌だというわけではない。ただ、私が持っているのが2級にすぎないことと、学校で専門的に学んだわけではなくて、あくまで独学でしかないことが、私を不安にさせる。
それに、私のイメージでは、縁の下の力持ちになりたいんであって、トップの付き人ではない。
そんなことを頭の中でぐちぐち思ってはいたけれど、悲しいかな、私は雇われの身にすぎない。与えられた仕事に、文句なんて言えやしない。