こじらせ社長のお気に入り
「社長?」

呼びかけると、ハッとして私の方に目を向けた。

「ええっと、改めて、ありがとうございました。唯一無二と言ってもらえて、すごく嬉しかったです」

「あたりまえだよ。俺は笹川ちゃんを見て、君に秘書になって欲しいって思ったんだから」

ん?
聞こえようによっては、意味深に聞こえなくもないけれど……
面倒だから、ここは流しておこう。

「社長の期待に応えられるよう、これからも仕事一筋で頑張りますね」

思わず拳を握り締めて言えば、社長は複雑そうな顔をした。

「いやあ……まあ……うん。一筋じゃなくても……」

「何かありましたか?」

「……いや。笹川ちゃん、頼りにしてるからね。オ・レ・の・た・め・に頑張ってよ」

「はい」

なんだか変な強調が入った気がするけれど、ダメージから回復して、やる気に満ちてきた今の私には、小さなことは気にならない。

よしっと気合を入れると、姿勢を正して仕事に向かった。








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