新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
 あと少しでいいから美人で背も高くて、痩せていたらな。

 ないものねだりをしながら歩を進めていると、見えてきたシェアハウス。
 電気が灯っているから大家さんは確実に家にいるのだろう。

「ただいまって言ってもいいのかな?」

 玄関前で大家さんから渡された鍵を手にして足を止める。

 自分の家だったら、そう言って入るところだがここはシェアハウス。図々しい? プライベートがあるわけだし、大家さんは仕事に集中していて迷惑になるかもだし……。

 そう思うと堂々と入ることができず、まるで泥棒のように静かに鍵を開けて入った。

「ただいま戻りました」

 小声で言いながら靴を脱ぐと、リビングのほうから話し声が聞こえてきた。

 この声は大家さんと金子さんだ。金子さん、もう帰ってきていたんだ。

 挨拶をしようと思い廊下を突き進んでいくと、次第にふたりの話し声が鮮明に聞こえてくる。

「もう陸、ここでストップ。そろそろ涼ちゃんが帰ってくるよ」

「んー……わかってるけど、あと少しだけ」

 あれ? もしかしてなにかお取込み中だったりする? でも帰ってきたことだけは伝えたほうがいいよね?

 そう思い、ドアに手をかけた。

「ただいま帰りました」

 ドアを開けて入ったものの、目に飛び込んできた光景に微動だにできなくなる。
 だってソファに座っている大家さんと金子さんが抱き合い、キスを交わしていたのだから。

「えっ? わっ!?りょ、涼ちゃん!?」

「いや、これはその……っ!」

 突然現れた私に慌てふためくふたり。

 どうやら私、とんでもないところに遭遇してしまったようです。
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