時の止まった世界で君は

宏樹side

手術を終え急いで術着を脱いで小児科病棟へ向かう。

俺の手術の方が予定時間も長かったし、なつの手術はもうだいぶ前に終わっているはずだ。

もしかしたらまだ麻酔とか疲労で寝ているかもしれないけど…

謎の焦りをおぼえながら病室に向かう。

はやくなつに会いたい。

はやくなつの姿を見たい。

なつの姿を見て安心したい。

その気持ちが自然と俺の歩調を速めた。




部屋の前に着きそっとドアを開ける。

病室は静かだった。

部屋の中に規則正しい機械音が響いている。

なつはまだ眠っていた。

頭に包帯を巻かれ、酸素マスクやその他にも色々な機械に繋がれたなつは、少し痛々しくて何回もこの姿を見ていても、慣れるものではなかった。

でも、とりあえず安心した。

なつはちゃんと戻ってきた。

胸を上下させちゃんと息をしている。

当たり前だけど、その当たり前が嬉しかった。

「よく頑張ったね」

今は頭を撫でられないから代わりにそっと手を握る。

手術による熱のせいかなつの手はいつもより熱かった。
< 73 / 115 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop