時の止まった世界で君は

星翔side

なつの表情は浮かないものだった。

染谷先生と手を繋いでお土産コーナーにはいったなつは、それまでとは打って代わり重たい足取りで、表情も暗く沈んでいた。

きっと、この先が出口であることを知っているんだろう。

それが、今日の楽しかった時間の終わりということも。

そりゃ、足取りも重くなるわけだ、と少し切なくなる。

染谷先生は、なつに色んなお土産を見せて勧めるも、なつはずっと首を横に振って否定する。

「瀬川はお土産買わなくていいの?俺、なつとゆっくり見てるから買っておいで。」

なんて気を遣って言ってもらったけど、正直なつの様子が気がかりで全然それどころではなかった。

だって、なつ本当に今にも泣き出しそうで、それを見てる染谷先生もなつの手前笑ってはいるけど、精一杯笑ってるんだろうなってことが伝わってくる。

俺は、さっさと医局のみんなと家族へのお菓子を買って、2人の様子を見守ることにした。
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