愛は惜しみなく与う⑥
あたしがここに来るようになって、雄作さんはすぐ優しくしてくれた。
そして我が子のように部屋も与えてくれた

東堂財閥の隣の敷地に、東堂組はある。

隣やけど、あたしの家はこっち


「雄作さんってな、子供ができひんかってんて。あの慕われ具合から、後継ぎとかは問題ないんやけどさ…子供が欲しかったらしい。あたしはそんなん知らんかって、知ったのは高校生なってから」


あたしもまともな家ではなかったから、人様の家族に口出しできる立場ではなかったけど、気になって聞いたら、雄作さんは教えてくれた


「あたしが小5.6くらいから、お世話になってて、娘やーゆうて育ててもらった。雄作さんからしても、初めての子供で、嬉しかったらしい。それでこれや」


苦笑いして部屋を見渡す

女の子やからって、女の子っぽい家具やインテリアを揃えた

別に全然好みの部屋ちゃうけどさ


雄作さんが可愛い娘やゆうて用意してくれた部屋やし、居心地は良かったよ


「こんな可愛い部屋で、あたしはヤクザ映画ばっかみてたわ」
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