愛は惜しみなく与う⑥

「ねぇ、やっぱり杏はその辺の男よりも強いよね」

響は笑顔で昴さんに問いかける。
響はかっこいい杏ちゃんが大好きだからなぁ


「強いとかいうレベルじゃない気がするなぁ〜。杏の喧嘩してるところ見たことあるやろ?」

「そうだなぁ。あるにはあるけど…あんまり本気出してそうな時は見たことないかも。むしろ、美奈子さんとか敦子ちゃんの動きを見てると、凄いなって思ったかな。杏ちゃんもたまに似た動きをする」


俺たちを助けてくれた?のか分からないけど、あの時のこの3人の動きは、ちょっと化物じみていた。


「何ゆうてんの?あたし達は、杏ちゃんの動き見て追いつこうと必死やってんで?」

「そうよ。あの馬鹿みたいな動きができる訳ないじゃない。少しでも杏のために強くなりたいって思って…真似ただけよ」


黙っていた女性二人は杏ちゃんの話になると嬉しそうに話し出した

そうなんだね

俺たちはきっと、杏ちゃんの本気をみたことがない


「でも半年間過ごして、杏に本気を使わせないのは、あなた達がしっかり守ってたからじゃない?」
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