愛は惜しみなく与う⑥
本当に似ているんだな


「昴達は分かると思うんですが、サトルが杏様の周りをうろちょろする様になったのは、いつ頃だか覚えていますか?」


志木さんの問いかけに、昴さんと敦子は、えっと…と悩む



「杏の高1の秋よ。あいつが初めて杏に接触したのは」


美奈子は、拳を握りしめてそう言った。杏が16歳の時の秋…

それがあれだよな?


「そうです。鈴の14歳の誕生日会が終わった後です」


サトルが杏にどうして目をつけたかは分からない。でもそこで初めて会って、こんな事件まで引き起こしている


狂ってるよ

好きとかそんなんじゃねーだろ

恐いくらいの執着したサトルの杏への気持ち


俺たちが薔薇のみんなに話したことを、復習するかのように志木さんは再び話してくれた。
何度聞いても胸糞悪い

そして、杏が可哀想だ


「事件の経緯は分かった。杏が関西を離れてからの事も。後はこいつらに、話してやれ」


昴さんは腕を組んだまま、俺たちの方をチラ見した。
そして志木さんは、申し訳なさそうな顔をする
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