愛は惜しみなく与う⑥
杏様を守りたいと、追ってきてくれたんですから。


「大丈夫だから、無茶はしない。情報だけ集めてくる。逐一電話もする」

「はい、分かりました。一応数名東堂組の人を付けさせてください。これは私からのお願いです」

「あぁ、頼むよ」


昴達は…杏様に会いにくいんですかね。気持ちはわかりますが…

きっと、みんなの顔を見れば杏様は、喜ぶと思うんです。


でも彼らの意思は尊重したいので。



「じゃ、俺らは行ってくるわ。放課後の時間に間に合いそうやし。敦子、美奈子、いくぞ」


東堂組の人に視線で合図を送ると、2人がスッと動いてくれました。
これで3人の身の安全は確保できました。

あとは…



あの女性が、誰なのか


そしてこの事実を…


杏様に告げなければいけない


「志木のにいちゃん、大丈夫か?」


近くに座っていた響が肩に優しく触れた。少し不安そうな顔で私の顔を覗き込む。


まず1番は、この方達を、不安にさせてはいけませんね。
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