愛は惜しみなく与う⑥
再会
泉と雄作さんのところへ戻る。
あの後志木に連絡しても、つながらなかった。またなんか忙しくなったんかな?
なーんて考えながら、東堂の敷地から東堂組の敷地に入る。


「…誰かいる?」

「やんな。泉も思う?」


なんやろか。気配がするというか…
みられてるような気がするというか…


悪意ある視線じゃないからええんやけど、なんやろか?

玄関に回り、文武両道って書かれた看板を見ながら玄関の引き戸をひけば……



「隙ありぃぃぃ!!!」



っていう大きな声と共に、何かが飛びかかってくる。
咄嗟に飛びかかってくるのを引っ掴んで……




「いってーーー!ゴリラ女!!!!手加減しろや!!!」




無意識に背負い投げをしたら


あたしの目の前に倒れたのは



朔だった



え?
なに?なんでおるん?



「杏が勝つに賭けておいて良かったです」

「え、新?え?みんな…おる」


朔はとりあえず置いておいて、玄関には、新に響に慧も居て…

そして



ここ最近、1番見たかった顔があった。
もうしつこいってくらい見てたのに、少し会わないだけで寂しくて



「志木!!!!!」

< 322 / 430 >

この作品をシェア

pagetop