愛は惜しみなく与う⑥
「少しバタバタしてて、飲み忘れもあるかと」

「……ごめん。ちゃんと薬は飲んで」

「……はい」


そっと包帯を巻き直す
でも、生きてて良かった…
ほんとに、志木に触れてやっと無事だと実感できた



「おいこら待てぇぇぇいいい!俺は?なぁ、俺は?お前に放り投げられて倒れたままなんだけど!?!?」


背負い投げして倒れたままの朔がむくりと身体を起こした。

忘れてるわけないやん?
順番があるのよ

志木にまずは抱きつかないと、安心できひんくて。

だからさ



「会いたかった」


寝転がってやいやい言う朔に飛びついて、力一杯ハグをする

うげげぇという声が聞こえたけど気にしない


「来てくれてありがとう。こんでええのに。家で待っててくれたら良かったのに……でも、嬉しい。ありがとう」


自然と涙が出た
ここまで追ってきてくれてるって聞いたけどさ、会えてなかったから。

あたしみんなが大好きで…
巻き込みたくないけどさ
側に居てくれたら、すごい力になるんやなって、思っててん


「朔もありがとう。あんたのマヌケ面みたら、幸せになるわ」
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