愛は惜しみなく与う⑥
「多いですね」

苦笑いの新は持っていたタブレットを鞄にしまった。
俺がざっとみても20人はいた

そりゃ〜居るよな


でもそこには、サトルらしき姿はない


「……においますね」


志木さんはスッと鼻に手を当てた。
におう?何か臭いのか?全くわからないけど、志木さんのあの顔は、嫌悪感たっぷり


「大麻の臭いというのは、わかりやすい」


た、大麻か!!
言われなきゃわかんねーよ!言われても嗅いだことがないから、分からない。

言われてみれば独特な臭いがするけど…
この建物自体カビくせぇから!!


「多分薬でハイになってる人たちなんで…殴っても殴っても起き上がってくるかもしれませんね」

「ゾンビじゃん…」


ゾロゾロと歩いてきた集団は、ピタリと足を止めた。俺たちをみてニヤニヤしているだけ。


「何度も起き上がってくるなら、足を狙え。起き上がって来なくなるまでやるだけだ」


うん。泉、ゾンビゲームも頭が無理なら足を狙うよ。わかってるけどさ?
いつでも冷静なお前がたまに怖いよ


20人いようがもっといようが…泉には関係ないんだろうな。
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