透明な世界で、ただひとつ。

僕だけの一番星



24日。
数日前に送られてきた場所と時間で待ち合わせする。



「おはよ、早いね。」



まだ待ち合わせの20分前だと言うのに駅を出てすぐの所には堺がいた。



「瑞希こそ。」

「私は電車がなかったの。」



堺に言った理由も半分は嘘。

電車の数が多くはない路線だけれど、もう一本遅くに乗る予定だった。

でも、そわそわして朝早く起きてしまって時間が余ったから少し早く来た。



「行こっか。」

「うん。」



見るのは2度目の私服姿の堺の背中を見ながら一歩後ろを歩く。



「今日、楽しみだった?」

「そりゃ、20分も早く来てるからね。
瑞希は違うわけ?」

「どうでしょ。」



楽しみだったよ。

朝早起きして、普段はあんまりしないメイクをお母さんに教えてもらいながらする程度には。

視力が落ちてきて、冬休みに入ってからはもうコンタクトでは補填できないって言われメガネばっかなのに久しぶりにコンタクトする程度には。

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