透明な世界で、ただひとつ。


そうこうしているうちに、待機列の先頭にまで来た。

荷物をロッカーに預けてコースターに乗り込む。



「はい、安全バー下がりまーす。
彼氏さん動かないか確認してね。」

「か、かれし...」



係員さんの言葉を思わず口先で繰り返し呟いた。

私が邪魔にならないように少し手を挙げている間にバーの確認は終わった。



「しゅっぱーつ!いってらっしゃい!」



係員さんの言葉でぐっとコースターが動き出す。

がたがたと音を言わせながら上昇していくコースター。



「この感じ、ぞくぞくするよね。」



私が隣の堺に言っても返答がない。



「ね!堺!」

「あ、うん。」



もしかして、ジェットコースター好きじゃなかったかな、と見るけど別に私の言葉に返答がない以外は特に異変はないし、バーを掴んでるわけでもない。


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